【MRって高年収って本当?】
転職を考える薬剤師さんには「MRって本当に高年収なの?薬剤師資格があると有利なの?」と興味津々な方も多いです。
以下、MRというお仕事あれこれをまとめます。
【MRというお仕事あれこれ】
(1)MR(メディカル・リプレゼンタティブ)とは?
①定義MR(Medical Representative)とは、「企業を代表し、医薬品の適正使用並びに薬物療法の向上に貢献するために、
医療関係者と面談又は電子ツール等を用いた情報交流を通じて、医薬品の品質・有効性・安全性等に関する情報の
提供・収集・伝達を主な業務として行う者」と定義されています。※1
現在、MRは大きく2つ(MR/CMR)に分けられます。
1)MR製薬会社に勤務し、自社の医薬品のみを扱います。
2)CMR(コントラクトMR又は派遣MR)
CSO(医薬品販売業務受託機関)に所属し、複数の製薬会社の医薬品を扱います。
CSO(Contract Sales Organization)とは、製薬企業にMRを派遣する、または医薬品の営業・マーケティング活動の
アウトソーシングサービスを提供する企業のことをいいます。
所属の違いはありますが、MRもCMRも「医薬情報担当者」として、「医薬品の情報を医療関係者に提供し、その有用性等を認めてもらい、採択を得る事」を目的として営業活動します。
②現在の採用状況2019年国内MRにおけるCMRの割合は5.8%で、CMR全人数は前年比10.8%増加(3,110人→3,445人)しました。
先行する欧米市場ではCMRの割合は全体の12~17%であり、国内でもMRからCMRへの置換えがさらに進行すると
思われます。コロナ禍の影響で、業界はマーケティング体制の最適化を推進しており、MRのアウトソーシングが
加速すると思われます。※2
※2:日本CSO協会Vol.50:「わが国のCSO事業に関する実態調査 2019年度版」
(2)MRの役割と業務内容
①役割 「自社(又は派遣された製薬会社)の医薬品の有用性等を認めてもらい、処方薬として選んでもらった結果、売上を立てること」を活動目的とするため、MRには以下の役割があります。
役割1)医薬品情報の提供
役割2)医薬品情報の収集
医療機関から、自社(又は派遣された製薬会社)医薬品の有効性や安全性に関するフィードバックをもらいます。
役割3)医薬品情報の伝達
例えば、自社製品開発に役立てるため、フィードバックで得られた情報を社内の関連部署へ伝達する。
また、副作用が出た場合、厚生労働省へ報告するため、社内関連部署へ伝えます。
MRもCMRも売り上げ目標を課せられている一営業職です。具体的に以下の業務に努めています。
・担当施設を一軒ずつ回り、医師らと頻繁にコミュニケーションを取る(コロナ禍ではWeb面談が主)
・担当施設で自社の医薬品に関する説明会を開催
・担当地域の医療従事者を対象にした講演会を開催
③現在、MRの業務=接待ではありません
以前はMRの大切な業務として、医療従事者への接待も行われていました。しかし、医療用医薬品製造販売業公正取引協議会により、2012年4月医療用医薬品の供給・販売に際し、公正かつ自由な競争が行われるため「飲食等の提供に係るルール」が策定され、同年10月から施行となりました。業界がルール順守を心がけるようになり、医療従事者の接待はこれまでのようにはできなくなりました。
現在、MRは接待ではなく、「医師が求める情報提供」によって医師との関係性を深めるべきと、業界全体が考えを改めています。
(3)MRに必要なスキルMRの業務遂行のため、以下は、業界内で必要といわれています。
・普通自動車第一種運転免許(担当施設を訪問するため)
・MR認定試験合格(医療従事者に情報提供できる必要な知識を得るため)
厚生労働省が認可するMR認定センターが毎年12月に実施します。入社後にほぼ全員が受験し、合格を目指します。なぜなら、MRは文系出身の人も大変多く、この試験に合格することによって、MRとして活動していくための知識を習得した証となるからです。
薬剤師資格があれば、全3科目のうち2科目(医薬品情報、疾病と治療)が免除となるので、有利といえます。
また、業務において、以下のスキルがあると良いと思われます。
・営業力(ただし、営業未経験でも採用する企業もあります)
・医薬品や製薬に関する知識・知見(薬剤師資格があれば有利)
・人脈構築力・コミュニケーション力(情報交換のため、広くネットワーク構築できるとよい)
目標達成するには、同時に営業力、人脈構築力、コミュニケーション力も高めなければなりません。
(4)MRのやりがい製薬メーカー全職種のうち、一番個人の頑張りや実力次第で高年収も期待できる職種であり、やりがいがあります。
マーケティングも経験でき、幅広いキャリアパスにつながるのも魅力です。
ただし、大変ハードワーク(勉強し続ける努力と目標達成のための営業努力も必要)であり、転勤も多いという実情を
踏まえた上の高年収ともいえます。
【MRだけじゃない、製薬メーカーで活躍する薬剤師】
MRでも薬剤師資格を持つ方が活躍されています。 そして、薬剤師が活躍しているMSL・CRA・DI・薬事申請・PMS・研究開発職等についても、他ページでそれぞれのお仕事をインタビュー&ご紹介いたします。